「 新宿 」
新宿から見えてくる姿には様々な面影を私は感じている。人ゴミの多さ、現代的な建物、夜には光るネオン、何やら怪しさを感じさせる街並みetc……。
これらを前に私はいつも何故か興奮を覚える。この新宿に引き込まれて何年も経つが未だにこの興奮は冷めてこない。何故この興奮は生まれてくるのだろうか?
私は未だにこの興奮の答えがわからない。だけど私はこれからもこの新宿に足を運びたいと思っている。そんな新宿にある人々や様々な面影を集めている。
この作品「新宿」シリーズは2003年から2013年ごろまで制作を多く続けていた作品である。
展示
個展
出品作品
作品名 「 新宿 」
2010年 芹川画廊
個展
出品作品
作品名 「 新宿」
2010年 フレームマンギンザサロン
富士フイルムフォトサロン新人賞2007 / 大阪展
出品作品
作品名 「 新宿〜 それぞれのアイデンティティー 〜」 40枚組
2007年 富士フイルムフォトサロン大阪
富士フイルムフォトサロン新人賞2007 / 東京展
出品作品
作品名 「 新宿〜 それぞれのアイデンティティー 〜」 40枚組
2007年 富士フイルムフォトサロン東京
など 個展、グループ展多数
作品コンセプト
この作品は新宿区の特に新宿駅周辺にいる人々を中心に景色、建物、看板など新宿にある様々なものを夜のはじめから夜遅くの時間帯である20:00〜23:30ごろの写真を中心に撮り続けまとめている。私は東京に生まれ、今までずっと東京に住んでいるのだが、同じ東京にある新宿という街をとても不思議な場所に思っている。新宿は見たことのあるテレビや映画、書籍などのメディアでは、美味しいものが食べられる、きれいな流行の服が買える、最新の情報が溢れているといった楽しいイメージで描かれているが、その一方で、終電が終わっても若者で溢れ、ネオンが輝く不夜城と言われ、ホームレスもたくさんいて、ヤクザが多く、もめ事や事件が多発する怖い場所だというイメージで描かれていることも多い。だがこのほとんどは新宿の中でも歌舞伎町を中心とした話が多く、駅周辺やその道にいる人物を描いているものは多くないと考えた。私の表現したい新宿というものはの普通に事件があるような世界なのか、新宿は至って普通の街なのか、その疑問から撮影をすることで見つけていきたいと考え、制作を行っている。撮影時間を夜に選んだのは夜に照らし出されるネオンの光が写真に撮ろうとする被写体に当たることで浮き出るものを表現してみたいと思ってである
では、実際に撮影してみた最近の新宿はどうなのか?歩いてみると若者はあまり夜遅くまで居ることは少なく、ホームレスも多くない、ヤクザの様な人を見かける事もほとんど無い。その代わりに多いのが観光をする外国人である。毎日多くの外国人が新宿を訪れており、新宿の色々なところで見かける。夜遅い時間でも歩き回っており、子連れも多く見かける。また、周辺のお店では外国人観光客向けの品物がたくさんあり、それを大量に購入する人も多く見かける。
新宿を毎日通る様になったのをきっかけに、新宿という街はどうなっていくのだろうかという疑問を抱き、常に変化していく新宿を十数年間撮り続けているなか、この新宿という街には人が溢れ、新宿にいる人々それぞれが見せる表情や居たことの足跡が新宿という街のイメージを作っているのではないか?新宿という街が人によって生きているのであろうと思うようになった。
不夜城と言われた輝くネオンはSNSやブログなどに使われる材料となり、スマホを使って自分を撮影する人達もたくさん見かける。新宿の変わりゆく姿には毎日驚きがある。これからも何年何十年と撮り続けて、新宿と人々の進化を見続けていきたい。
⼭下晃伸
使用機材
FUJIFILM Finepix S3pro、S5pro、Nikon D3S、D800E+AF Nikkor 14-24mm F2.8、Ai AF Nikkor28mmF1.4 など